
元保育士のライター、ほうらいです。
保育補助として保育園で働きはじめ、退職するまで7年間勤務。その間、産休や育休を利用しながら保育士資格を取得しました。現在は2児の母で育児に専念しています。
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ただ単に”子どもが好き”というだけでは、保育士の仕事は務まりません。
約7年間保育園で働いていましたが、長年保育士として働いている人、すぐに辞めてしまう人、どちらのパターンも見てきました。
この記事では、私自身の経験をもとに、保育士に向いている人、向いていない人の特徴を紹介します。
大切な子どもを預かるため、大きな責任感が問われる仕事です。

保育士としての適性があるか、事前に確認しておきましょう。

保育士に向いている人の特徴

実際に保育士として保育園で働いた経験から感じた、向いている人の特徴を紹介します。
子どもとの遊びを楽しめる
子どもと遊ぶことを楽しめることは大前提なのですが、遊びといっても、年齢によって大きな違いがあります。
特に0〜5歳の遊びの内容は成長とともに大きく変化していくため、「この月齢の子にはどんな遊びができるのか」を考えることが大切です。
子どもは思いきり遊んで、失敗や成功、発見などを繰り返しながら成長します。
どの月齢の子どもと遊ぶときも積極的に取り組める人のほうが、子どもたちも安心できるでしょう。
体力がある
保育士は体力勝負です。
体力に自信のある人のほうが向いています。
大きな物を持ち上げる、運ぶといったことも多く、0歳を担当していればすべてのお世話で動きっぱなしです。
泣いている子どもを落ち着かせるために、しばらく抱っこしていることもあります。
5歳の子どもが相手になると、一緒に鬼ごっこをするなど、どんな場面でも体力が必要です。

仕事で疲れきってしまい、家に帰ると何もしたくない日もあります。
忙しくても的確な状況判断ができる
保育は1人の力で成り立つ仕事ではありません。
ほかの保育士や補助の人の動きを見て、今自分がするべき行動を的確に判断する力も必要です。
指示を待っているのではなく、自分から考えて動ける人でないと保育の流れを止めてしまうことになります。

子ども同士のトラブルも多いため、常に全体を見渡しながら状況を判断することが大切です。
細かいチェックを怠らない
睡眠中や外出の前後、避難訓練など、子どもたちの安全確認をする場面が多くあります。
そういった場面でのチェックを怠らないことが重要です。
幼い子どもの行動は、予測できないことも多々あります。
命を預かる仕事だからこそ、「多分大丈夫だろう」という考えをもってはいけません。
普段の様子との違いに敏感に気づける
子どもたちは、体調が悪くてもうまく言葉にして表現できません。
保育士がいつもと様子が違うことを察して、体調管理をしてあげる必要があります。
毎日子どもたちの様子に留意し、違和感を見つけられる観察力が大切です。

色々なタイプの子がいるため、まずは一人ひとりを理解するところから始めましょう。
コミュニケーション力がある
保育士は保護者との関わり方も重要です。
毎日の様子をきちんと伝え、保護者が安心して仕事ができる環境を整える必要があります。
ときには保護者よりも先に、子どもの成長する姿を見ることもあるでしょう。
- 初めて歩いた
- 〇〇を食べられるようになった
- ボタンが留められるようになった など
保育士にとってはよくある光景かもしれませんが、その喜びをきちんと伝えることで信頼関係を築けます。
地域との関わりやイベント時など、お世話になる方とのコミュニケーションも必要です。
計画を立てて行動できる
保育施設では、季節に合わせたイベントや恒例行事なども頻繁に行われます。
日々の保育の中で時間をつくりながら、計画を立てて準備を進めていかなければなりません。
園外保育の際は、子どもたちが安全に行けるようにルートの下見も必要です。
ほかにも教室の飾りつけなど、保育士の仕事は多岐にわたります。
いつまでに何を終わらせたらいいのか、きちんと計画的に行動できる人のほうが保育士に向いています。

保育士にとっては毎年恒例の仕事ですが、子どもや保護者にとっては一生に一度の思い出です。
危険予測ができる
- この場所に〇〇を置いたら子どもたちが怪我をしないか
- 5歳の子は大丈夫だけど、2歳の子には危なくないか など
保育施設にはさまざまな年齢の子がいるため、常に危険予測をしながら物の配置などを決める必要があります。
早朝や夜間、休日など、子どもの人数が少ないときは合同保育になることもあるため、起こりうる場面を想定することが大切です。
保育士に向いていない人の特徴

反対に、保育士に向いていない人の特徴は以下のとおりです。
人と協力することが苦手
1人でクラスの担任を受けもつ場合でも、補助の方が入ったり、ほかのクラスと合同で行動したりすることが多くあります。
人と協力することが苦手でも、子どもたちの安全を守るためには保育士同士の連携が重要です。
個人で行動してしまうと、全体に迷惑がかかってしまいます。
周りと協力できないと、孤立してしまったり、1人で仕事や悩みを抱え込んでしまったりすることもあるでしょう。
他人に興味がもてない
保育は人と関わることが主な仕事です。
どんなに保育の能力が優秀でも、子どもはもちろん、保護者や同僚など、他人に興味をもてない人に保育士は務まりません。
子どもたちの性格や好きなことなどを理解することも難しいでしょう。
そもそもそういったタイプの人は保育士を目指さないのでは?と思うかもしれませんが、仕事を始めてから気づく部分もあります。
他人に興味がもてないと表情や行動に表れやすいため、保育士として働くうえで信頼を得ることが難しいです。
笑顔でいることが苦手
子どもや保護者、同僚と接するうえで、笑顔でいることが基本となります。
子どもたちを不安にさせず、楽しい気持ちで過ごせる環境をつくるのは、保育士としてとても重要なこと。
笑顔でいることが苦手な人には向いていない仕事です。

気持ち的に落ちているときでも、笑顔を忘れてはいけません。
また、大切な子どもを預ける保護者は、保育士の様子や変化に敏感です。
保護者の方に安心して子どもを任せてもらえるように、疲れているときでも笑顔で対応しなければなりません。
迅速に行動できない
保育の現場は常に時間との戦いです。
登園してから降園するまで1日の流れは決まっていますし、合間を見て行事の準備や書類作成などを行わなければなりません。
なによりも相手は子どもなので、突発的な対応が発生することは日常茶飯事です。
その日の計画を立てていても、崩れることはよくあります。
常に的確な判断をして迅速に行動することが、子どもの安全を確保しつつ、保育の仕事を行ううえで重要です。
まとめ:苦手なことでもどれだけ努力できるかが大切

向いている人・向いていない人の特徴についてまとめてきましたが、ここまで読んで自信をなくしてしまった方もいるかもしれません。
すべての項目に当てはまらなくても、苦手な部分に対してどれだけ努力できるかが重要です。
「子どもが好き」ということは大前提ですが、それだけでは保育士が務まらないということを理解しておきましょう。

理想と現実のギャップで辞めてしまう人も少なくありません。
それでも自分が保育士に向いているか不安な方は、保育士の仕事内容をまとめた記事も参考にしてみてください。

また、当サイトでは、保育士を対象に以下のようなアンケート調査も行っています。



保育士経験のある方の実体験をまとめています。

保育施設によっても特徴が異なるため、色々な人の体験談を見てみましょう。

