
元看護師のライター、くれやサチです。
看護師として約5年、病棟勤務をしていました。急性期〜慢性期リハビリ病院での経験があります。担当経験のある部署は、整形外科・眼科・耳鼻科・血液内科。院内では、褥瘡委員として患者様の褥瘡ケア管理にも携わりました。
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”誰かの役に立ちたい”という気持ちだけで、看護師の仕事は務まりません。
私が看護師として働いていた期間は約5年間ですが、長年看護師をしている人、すぐに辞めてしまう人、どちらのパターンも見てきました。
この記事では私自身の経験をもとに、看護師に向いている人、向いていない人の特徴を紹介します。
看護師は人の命に携わるため、大きなプレッシャーを感じやすく、責任感が問われる仕事です。

看護師としての適性があるか、事前に確認しておきましょう。

看護師に向いている人の特徴

私が看護師を経験したなかで感じた、仕事に向いている人の特徴を紹介します。

責任感がある
看護師は、配薬や点滴など、患者さんの命に関わる仕事が多くあります。
自身の行動が患者さんの健康状態に関わるので、一つひとつの行動に責任をもてる人であることが望ましいです。
コミュニケーションとることが好き
看護師の仕事は医療行為だけではありません。
患者さんの気持ちに寄り添うのも大切な仕事です。

きちんとコミュニケーションがとれないと、患者さんを不安にさせてしまう可能性もあります。
また、看護師は医師や薬剤師、医療事務員など、病院内で働くさまざまな専門スタッフとの連携が必須です。
そのため、日頃からコミュニケーションをとることが好きな人は看護師に向いているといえるでしょう。
きちん傾聴ができて相手の変化に気づける方であれば、患者さんとの些細な会話から違和感を感じ取り、医療につなげられる可能性もあります。
なお、コミュニケーション力を高めたい方は、医療コミュニケーションアドバイザーなど、医療に特化した資格もおすすめです。
医療に特化した資格でなくても、患者さんとの信頼関係を築けるように、コミュニケーションスキルを身につけておくとよいでしょう。

お世話を焼くのが好き
子供の頃から小さい子の面倒をみるのが好きだった方や、ついつい友達のお世話を焼いてしまうような性格の方は、看護師に向いているといえます。
看護師の仕事のほとんどは、患者さんの身の回りのサポートです。
世話好きな方であるほうが、患者さんに安心感を与え、スムーズな看護ができるでしょう。
精神的に強い
看護師をしていると、思い入れの強い患者さんが亡くなってしまうこともあります。
正直、精神的にかなりきついです。

看護師だから”死”に慣れるということはありません。
ときには理不尽な暴言を吐かれて、仕事自体が嫌になることも多々あります。
看護師を続けるためには、気持ちの切り替えができる精神的な強さが必要です。
精神的に強い看護師ほど、つらい場面を何度も乗り越えて仕事を続けることができます。
体力がある
看護師はとにかく体力を使う仕事です。
体位変換や車いすへの移乗といった力仕事も多く、残業や夜勤もあります。
体力がないとすぐに体調を崩してしまうため、注意が必要です。
自己管理が大切になってくる職業ですので、看護師になるうえで体力は重要な要素になります。
向上心がある
医療技術は日々進歩しています。
そのため、看護師も常に勉強をし続けなければなりません。
看護師の仕事には、委員会活動なども含まれます。
患者さんのために向上心をもって自己研磨できる方ほど、看護師に向いているといえるでしょう。
看護師に向いていない人の特徴

反対に、看護師に向いていない人の特徴を紹介します。
1つでも自分に当てはまったとしても、決して看護師になるのをやめたほうがいいというわけではありません。

経験や努力でカバーできる部分もありますので、「看護師になりたい」という強い意志が大切です。

血や怪我などグロテスクなものが苦手
看護師は採血や外傷など、グロテスクなものに毎日触れることになります。
少し苦手という程度であればそのうち慣れてきますが、まったくもって苦手というのであれば、相当な覚悟が必要です。
血を見て気分が悪くなってしまうような方に、看護師はおすすめできません。
排泄物の処理に大きな抵抗を感じる
病棟看護師であれば、排泄物を処理する仕事は必須です。
しかし抵抗があるからといって、看護師に向いていないわけではありません。

他人の排泄物を処理する機会はなかなかないので、実際にやってみないと判断できない部分もあります。
これから看護師を目指す方は、職場体験を通して判断してみるのも1つの方法です。
直接排泄物の処理はできませんが、現場のリアルな臭気などを体験することができます。
すでに看護師として働いているにもかかわらず、なかなか慣れないのであれば、勤務する病院を変えるなどの対策が必要です。
ただし、あからさまに顔に出るくらい抵抗を感じるのであれば、看護師の仕事は向いていないともいえるでしょう。
タイムプレッシャーに弱い
看護師はあらかじめ決まっている予定に加えて、予想外のできごとに対応する力が必要です。
タイムプレッシャーに弱い方は、勤務先をよく考えることが重要になります。

いくつもの緊急対応が重なり、かなり慌ただしくなることも少なくありません。
手術準備、転院、点滴など、あらかじめ決まっている予定は時間厳守で行わなくてはいけません。
救急病院で働いていた頃は、配薬やナースコールにも対応しなければならなかったため、タイムプレッシャーを感じる場面がとても多くありました。
なかには慢性期や療養病棟など、ある程度ゆったりしたスケジュールが組める病院もあります。
しかし、マイペースすぎる方に看護師はおすすめできません。
共感力が強すぎる
看護師をしていると、長期入院の患者さんなど、思い入れが強くなる患者さんとの出会いもあります。
共感力が強すぎると、患者さんの痛みやつらさを自分のことのように感じてしまい、精神的に大きな負担となってしまうケースも少なくありません。
共感力の強すぎる方に看護師はおすすめできませんが、病院によっては看護師の心をケアするカウンセラーが在中しています。

共感力が強すぎると自覚のある方は、カウンセラー在中の病院勤務を検討してみてはいかがでしょうか?
優しすぎる
患者さんの健康維持のために、看護師が厳しく指導しなければならない場面もあります。
なかには素直に話を聞いてくれない患者さんもいるため、優しすぎる方にとっては負担に感じる部分です。
例えば高血圧で食事制限のある患者さんが、治療食以外にお菓子やジュースなどを持ち込んだとします。
その患者さんに対して治療の必要性の説明や指導をきちんと行い、持ち込んだものを回収しなければなりません。

患者さんのために、厳しく看護する気持ちも必要です。
看護師を目指すなら知ってほしい結婚・出産の話

看護師を目指すうえで知ってほしい、結婚や出産時の看護の仕事と生活についてお話します。
女性で看護師を目指す方は、先を見据えた計画を立てることも大切です。

結婚後の生活と仕事
結婚したあとの看護師の生活は、結婚前とさほど変わりません。
しかし夜勤がある場合は、旦那さんの理解と家事の分担が必要になります。
ちなみに看護学校卒業後は、経験を積むために救急病院にフルタイムで勤めるのが王道のコースです。
結婚後は妊娠する可能性を考慮して、ほかの選択肢を検討してみるのもよいでしょう。
夜勤のあるハードな救急病院で働き続ける以外にも、外来勤務やクリニックへの転職、パート勤務への変更など、さまざまな選択肢があります。
妊娠中の生活と仕事
看護師が妊娠すると、生活リズムが大きく変わってきます。
妊娠中にはつわりやマイナートラブルが起こる可能性があるため、体位変換や移乗介助の仕事は難しいです。
そのため、リーダーナースや配薬を中心に任されることになります。
また、妊娠中でも夜勤は通常通りに組まれ、産休ギリギリまであることが多いです。
体調不良を感じている場合は早めに看護師長に相談し、夜勤の回数を減らしてもらうか、夜勤免除をしてもらうとよいでしょう。
産後・育休明けの生活
産後は1年ほどで職場復帰となります。
出勤前に子供を保育園へ送迎する必要があるため、出産前から職場に近い保育園などをリサーチしておきましょう。
見学に行き、保育園の雰囲気を確認しておくことも重要です。
なかには看護師から人気の高い保育園もあります。
また、子育てと看護師の両立はとても大変です。
子供の急病などで、急な休みが発生する可能性があることも考慮しなければなりません。
子育てへの理解があり、働きやすい環境であることが望ましいです。
育休を終えて職場復帰すると、パートや外来での勤務を希望する看護師も多くいました。
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まとめ:苦手なことでもどれだけ努力できるかが大切

向いている人・向いていない人の特徴についてまとめてきましたが、「自分は向いていないかもしれない」と自信をなくしてしまった方もいるかもしれません。
向いている人の項目にすべて当てはまらなくても、苦手な部分に対してどれだけ努力できるかが重要です。
働く環境によって職場の雰囲気は大きく異なるので、慌ただしく動くことが苦手な方は慢性期の病院選ぶなど、自分の性格にマッチした勤務先を見つけましょう。

せっかく努力して看護師になっても、理想と現実のギャップですぐに辞めてしまう方も少なくありません。
それでも自分が看護師に向いているか不安な方は、看護師の仕事内容をまとめた記事も参考にしてみてください。

また、当サイトでは、看護師を対象に以下のようなアンケート調査も行っています。



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さまざまな施設で働いている方々の体験談を見てみましょう。


