
元看護師のライター、くれやサチです。
看護師として約5年、病棟勤務をしていました。急性期〜慢性期リハビリ病院での経験があります。担当経験のある部署は、整形外科・眼科・耳鼻科・血液内科。院内では、褥瘡委員として患者様の褥瘡ケア管理にも携わりました。
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看護師は激務で残業の多い仕事ですが、働き方によっては副業をすることが可能です。
せっかくなら誰でもできる仕事ではなく、看護師資格を活かせる仕事をしたいと思う方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、看護師資格を活かせる仕事を、在宅ワークに絞って紹介します。
私自身、妊娠などを理由に看護師を退職してから、在宅ワークで生計を立てています。
- 副業でできる在宅ワークを探している方
- 看護師を辞めて在宅ワークを始めたい方
どちらの方でもできる看護師資格を活かした仕事を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

看護師が副業をするメリット・デメリットも確認しておきましょう。

看護師の副業はあり?在宅ワークをする注意点
まず、「そもそも看護師は副業していいの?」というところから悩む方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、働いている病院の種類や規則によって、副業できるかどうかが変わってきます。
ここでは、看護師が副業として在宅ワークをするうえでの注意点をまとめました。

副業を考えている方は、必ず確認しておきましょう。

副業禁止の規定をチェックする
民間病院やクリニックで働いている場合は、就業規則に副業禁止の規定がないかチェックしましょう。
病院によって基準が異なるため、自己判断で副業を始めるのは危険です。
副業が職場にバレてしまった場合、「解雇・減給・休職」など、厳しい罰則を受けることもあります。
なお、国公立病院など、公務員として働く看護師の副業は法律により禁止されています。
不動産投資・株式・講演会・農業・家業の手伝いなど、”営利目的ではない副業”であれば許可されていますが、細かい条件がともなう副業もあるため注意が必要です。
スケジュール管理を徹底する
看護師が副業で在宅ワークをする場合、スケジュール管理を徹底することが重要です。
看護師資格を活かせる在宅ワークにはさまざまな種類がありますが、仕事内容によっては納期が定められているものもあります。
看護師の仕事はハードなうえに、休日出勤や夜勤、残業などで、思った以上に副業時間がとれないこともあるでしょう。
納期が定められている仕事を副業にするのであれば、余裕をもってスケジュールを組むことが大切です。
確定申告が必要な場合がある
看護師に限ったことではありませんが、副業で一定の収入を得ると、確定申告を自身で行う場合があります。
基本的には、副業による収入が年間20万円を超えると確定申告が必要です。
ただし、医療費控除やふるさと納税などの適用を受ける場合には、20万円以下でも申告が必要になります。(参考:国税庁/副収入などがある方の確定申告)
なお、原稿料やデザイン料など、源泉徴収で先に所得税を差し引いてから支払われる副業は注意が必要です。
仕事をするうえで発生した必要経費が控除されていないため、所得税を納めすぎている可能性があります。
このような場合は、納めすぎている所得税を還付金として受け取るために、20万円以下でも確定申告をしたほうがよいとされているのです。
また、住民税は20万円以下でも申告が必要になります。

副業を始める前に、税金についてしっかりと勉強しておくことが大切です。
わかりやすい参考記事

看護師資格を活かせる在宅ワークおすすめ5選

看護師資格を活かせるおすすめの在宅ワークを紹介します。

1:医療系ライターとしての執筆
看護師の知識があれば、医療系ライターとして執筆できます。
医療系ライターは、通常のライター案件よりも高単価であることが多いのが特徴です。
「監修者」として、大手メディアで記名記事に携われる可能性もあります。
ちなみに一般的なライターの場合、文字単価1円〜2円がよくある相場です。
クラウドソーシングであれば、もっと単価の低い案件もあります。

医師や看護師、金融系などの専門分野でないと、なかなか高単価の案件はありません。
私自身もライターとして、看護師の知識を活かせる分野で執筆しています。
専門知識や経験があるため、短いリサーチ時間でスラスラと書ける点がおすすめです。
知識が乏しいジャンルの場合、情報をインプットするだけでかなり時間がかかることもありますが、自分の専門分野なら効率よく執筆できます。

現場での経験と知識を活かせるため、読者の役に立つ情報を提供できるのが嬉しいです。
なお、医療系ライターの仕事を受注するには、以下のような方法があります。
- クラウドソーシングで探す
- ライター向けのサイトに登録する
- 求人サイトで探す
- Twitterで探す
- ネット上で募集しているサイトを探す など
初心者でも比較的仕事を獲得しやすいのは、クラウドワークスなどのクラウドソーシングです。
また、ライター初心者の場合は、まずはライターとしての知識やテクニックを身につけるところから始める必要があります。
当サイトではWebライターになるための方法も紹介していますので、医療系ライターに挑戦したい方は以下の記事で確認しておきましょう。

2:ココナラでスキルを販売する
看護師の経験と知識を活かし、ココナラでスキルを販売をしてみるのもおすすめです。
ココナラは個人のスキルを自由に売り買いできる、日本最大級のスキルマーケット。
例えば、絵が得意な人なら似顔絵やアイコンを描くサービスを販売したり、行政書士であれば契約書等の作成をお手伝いしたりするサービスを提供できる場所です。
実際にココナラでは、看護師資格を活かして以下のようなサービスが販売されています。
- 電話での人生相談
- 看護師の資料作りサポート
- 看護学生の実習サポート
- 医療ライター業務の受注 など
看護師の医療知識をそのまま提供するわけではなく、看護師としての経験を活かしたスキルの販売がとても多いです。
そのなかでもっとも多いのは「電話相談」で、仕事の愚痴や恋愛相談、人生相談など、幅広い需要があります。
看護師業務をしていると、患者さんとの関わりのなかで自然と「傾聴」のスキルが身につくもの。

その傾聴スキルを、不安を抱える方へココナラで提供してみるのもいいですね。
なおココナラは、出品〜販売、料金のやりとりまで、すべてオンラインで完結できます。
納期の管理やこまめなやり取りが必要ですが、初心者の方でも始めやすいのがメリットです。
3:オンライン講座の開講
最近では、オンライン講座の需要も高まっています。
看護師としてのスキルを活かして、オンライン講座の開講にチャレンジしてみましょう。
例えば豊富な講座数と実績で話題を集めている「ストアカ」では、看護師資格を活かして以下のような講座が開講されています。
- 産婦人科看護師による不妊相談・妊活についての講座
- 小児科看護師によるベビーマッサージ講座
- 生活習慣病改善講座
- 睡眠基礎講座 など
看護師としての経験を販売するココナラとは違い、看護師としての知識を活かしたスキル販売が多いのがストアカの特徴です。
なお、ストアカで講座を開く場合、より専門的な知識が求められます。
例えば認定看護師や美容看護師、産婦人科看護師など、特定の分野において専門性の高い内容を発信できる方のほうが向いているでしょう。
美容看護師によるスキンケア講座、小児看護師による病児ケアの講座などを開講することも可能です。
オンライン講座1回につき1,000円程度から受講できるので、自分にできるか不安な方は、ほかの講座を受講してみるところから始めてみてもいいかもしれません。

看護師としての知識を活かす方法の1つとして、ストアカでの講座開講を検討してみてはいかがでしょうか?
4:電話・チャット相談業務
電話・チャット相談業務とは、お客さまの体調やメンタル面について、電話やチャットで相談を受ける業務です。
電話・チャット相談業務は、声やテキストでお客様の症状のアセスメントをする必要があるため、高いアセスメント能力とコミュニケーション能力が必須となります。
外来看護師やERなど、幅広い疾患について知識のある看護師に向いている副業といえるでしょう。
電話・チャット相談業務を受注するためには、以下のような方法があります。
- 求人サイトで探す
- ココナラで相談業務を販売する
電話・チャット相談業務の仕事自体は多くないため、仕事を受注するまでが難しく感じるかもしれません。

看護師の在宅ワークに絞って検索をかけ、こまめに求人情報をチェックしてみましょう。
5:ブログやSNSでの情報発信
ブログやSNSで情報発信を行うことで、収益化につながる可能性があります。
しかし、誰でも簡単にできることではありません。
ブログで収益化を目指す場合、閲覧数に応じて報酬を得る方法(アドセンスブログ)と、商品を紹介して報酬を得る方法(アフィリエイトブログ)があります。
例えば看護師としての経験を活かすのであれば、看護師ブログを立ち上げて、新人看護師へ向けておすすめの本や看護師グッズを紹介するのもよいでしょう。
そこから商品購入につなげることで報酬を得られます。
ただし、個人ブログで医療に関わる情報を発信する場合は、YMYL(Your Money Your Life)に引っかかるので注意が必要です。
YMYLはGoogleの「検索品質評価ガイドライン」の1つ。
人々のお金や健康などに関わるジャンルがこれに該当し、個人ブロガーがこのジャンルに参入すると、検索上位に表示されずに誰にも読まれない記事となってしまいます。

自分でブログを立ち上げたいと考えている看護師は、必ずチェックしておきましょう。
なお、ブログやSNSは成功すれば大きな収入につながる可能性がありますが、どんなに時間をかけても必ず収益化できる保証はありません。
SNSの場合は、フォロワーを増やすところからのスタート。
こちらも簡単なことではありませんので、アカウントの方向性などをきちんと定めることが大切です。

始めてみたいと考えている方は、覚悟してチャレンジしてみましょう。
看護師が副業で在宅ワークをするメリット
- 知識や経験を活かした仕事ができる
- 人間関係のストレスがない
- 子育てや介護と両立しやすい
- 金銭的に余裕ができる
看護師として得た知識や経験は、高く評価されることが多くあります。
医療系ライターであれば、高単価案件の仕事を獲得しやすいのが特徴です。
自分のスキルとして販売する場合は、専門知識として多くの方に伝えられる充実感などを得られます。
なお副業として在宅ワークをする場合は、金銭的に余裕ができるのもメリットです。
なかには子育てや介護と両立するために、時短勤務や病院以外の施設に勤務するなど、さまざま働き方をしている看護師も多くいます。
そのような環境のなかでも、在宅ワークなら自分のペースで仕事を組みやすいため、家庭や時間を大切にしながら働くことができるでしょう。
看護師が副業で在宅ワークをするデメリット
- 看護師の仕事に支障をきたす場合がある
- ONとOFFの区別がつきにくくなる
在宅ワークを始めたばかりだと、仕事のボリューム感がわからずに案件を受けてしまう可能性があります。
納期に迫られて徹夜が続いてしまうこともあるでしょう。
特に副業の場合は、看護師業務に支障をきたす場合があるため注意が必要です。
副業が多忙になると、休みの日が丸一日潰れてしまう……なんてこともあり得ますので、スケジュール管理が重要になります。
看護師を辞めた私が在宅ワークを始めて感じていること
ここでは、看護師を辞めた私が在宅ワークを始めて感じていることをまとめました。
私が看護師を辞めた理由は、大きく分けて3つあります。
- 退職と同時に妊娠が発覚したから
- マタハラの被害を受けたことがあるから
- 体力に自信がなかったから
退職と同時に妊娠が発覚。
最初にいた職場でマタハラの被害を受けたこともあり、妊婦の状態で働くという選択肢はありませんでした。
妊娠中に「在宅ワークでもしてみよう」と、軽い気持ちでブログやライターを始めてみたのがきっかけです。
産後1年くらいで看護師に復職することも考えましたが、産後3年経過した現在でも、看護師には戻らずに在宅ワークをしています。

看護師と子育ての両立が難しいと感じている方などの参考になれば嬉しいです。

子供の成長を近くで感じられる
上の子は看護師をしながらの子育てでしたが、下の子は在宅ワークに切り替えて子育てをしています。
上の子のときは風邪を引いてもずっと側にいてあげられず、職場に迷惑がかかってしまう罪悪感で押しつぶされそうになることが多々ありました。

マタハラがあるような職場だったので、余計気を使いながらの生活がつらかったです。
在宅ワークに切り替えてから、子供が体調不良のときは側で付き添ってあげられるようになりました。
そして何よりも、子供の成長を近くで感じられることがとても嬉しいです。
さらに在宅ワークは通勤する必要がなく、体力を使う仕事でもありません。
看護師をしていた頃はハードな職場環境だったため、休みの日に体調を崩してずっと寝てしまうという生活をしていました。
在宅ワークに切り替えた結果、心身ともに余裕ができて、育児を楽しく行うことができています。

だから私は、看護師の仕事に戻ることをやめました。
人間関係で生じるストレスがない
看護師の仕事は、患者さんやその家族、医師や他職種のスタッフなど、さまざまな方との関わりがあります。
毎日必死に仕事をこなしていましたが、人見知りな性格もあり、人間関係で大きなストレスを感じていました。
在宅ワークの場合、ほとんどがオンライン上で完結します。
人に関わる機会も少なく、人間関係で生じるストレスがほとんどありません。
人間関係の形成を苦手と感じる方にとって、在宅ワークはぴったりな職種だと感じています。
看護師以外の知識が得られる
看護師をしていると、一般的なビジネスマナーを学ぶことはほとんどありません。
当然ですが、看護師をしているだけでは、看護で必要な知識や技術しか増えていかないのです。
しかし在宅ワークをしていると、営業や販売、マーケティングなど、今までとは違った知識を得られます。
そして、仕事の幅がグッと広がりました。
私は主にライターとして仕事をしていますが、医療分野以外でも多くの記事を執筆しています。
今では看護以外の領域にも詳しくなり、世界が一気に広がる感じがとても楽しいです。
看護技術が衰える
これはデメリットに感じている部分ですが、在宅ワークに切り替えると看護技術が衰えます。
当然のことですが、ライン確保や導尿、採血など、看護技術を使う場面はありません。
看護技術は繰り返すことで上達していくものなので、ブランクの期間が長いほど技術は衰えていきます。
現段階では看護師に再就職する気持ちがないためあまり気にしていませんが、せっかく習得した技術を忘れてしまうのはやはり寂しく感じる部分です。
なお、厚生労働省ではブランクがある看護師に向けての復職支援を行っていますので、そういったサポートを利用して復職する方法もあります。(参考:看護師のキャリアと働き方支援サイト)
再就職に不安がある方も多いと思いますが、必要以上に心配することはありません。
収入が不安定
看護師として病院などで働いていれば安定して給料が支払われますが、在宅ワークは収入がかなり不安定です。
私の収入源はライターやブログですが、自分自身で仕事を探さないといけません。
突然仕事の量が減ってしまったり、仕事がなくなったりする場合もあります。

収入の柱を1本に絞るのではなく、いくつか収入の柱をもってリスク分散をするのがおすすめです。
まとめ:知識や経験を発信したい方は、看護師資格を活かせる在宅ワークを始めてみよう

看護師資格を活かせる在宅ワークにはいくつかの種類があり、それぞれ必要なスキルが異なります。
私は主にライターとして仕事をしていますが、まずはライティング力を鍛えるところからのスタートでした。
最初はどの仕事も大変ですが、看護師の知識や経験を活かしたい方にとってはおすすめの在宅ワークです。

私のように子育てと両立できる仕事を探している方は、ぜひチャレンジしてみてください。
なお当サイトでは、看護師を対象に以下のようなアンケート調査も行っています。
看護師をしていて悩む部分がある方は、さまざまな環境で働く看護師の本音もぜひ読んでみてください。







現状を変えるきっかけにつながれば嬉しいです。