【10人のエピソード】看護師の仕事で大変なこと。つらいときの乗り越え方も紹介

【10人のエピソード】看護師の仕事で大変なこと|つらいときの乗り越え方も紹介
この記事の執筆・監修者
くれやサチ

元看護師のライター、くれやサチです。

看護師として約5年、病棟勤務をしていました。急性期〜慢性期リハビリ病院での経験があります。担当経験のある部署は、整形外科・眼科・耳鼻科・血液内科。院内では、褥瘡委員として患者様の褥瘡ケア管理にも携わりました。
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エピソードとともに掲載している写真は、ご本人様より提供いただいたものを使用しています。

看護師はとてもやりがいのある仕事ですが、体力や精神面で大変なことつらいこともたくさんあります。

つらくて苦しい気持ちが積み重なり、辞めてしまう方も少なくありません。

ときには悲しい現実を受け入れなければならないこともあります。

そこで当サイトでは、看護師の本音をリサーチするために独自アンケート調査を実施。

10人の方に、看護師の仕事で大変なことやつらいことを教えていただきました。

記事の後半では、私自身の体験談やつらいときの乗り越え方も紹介しています。

くれやサチ

仕事を始めてから大きなギャップを感じないためにも、リアルな声を確認しておきましょう。

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目次

【10人のエピソード】看護師の仕事で大変なこと、つらいこと

看護師経験のある10人に聞いた、看護師の仕事で大変なこと、つらいことなどのエピソードを紹介します。

体験談

アンケート調査は「クラウドワークス」にて行い、以下の項目に回答していただきました。

  1. 看護師歴
  2. 大変なことやつらいと感じること

1:五感を働かせて患者さんを見ることに大変さがある

ままやんさんの看護師免許証
ままやんさんの看護師免許証

1人目は、ままやんさん(20代女性)です。

看護師歴を教えてください。

約5年

看護師をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

患者さんは痛みや苦痛をはじめ、慣れない入院生活にストレスを感じているため、些細な会話にも思いやりが必要です。
しかし現場は忙しく、マンパワー不足が当たり前。
患者さん一人ひとりに充分な時間をかけられないのが現状です。
限られた時間の中で、患者さんの疼痛や不安、不満、怒りを早期発見、早期治療することが求められます。
また自分にできる最大限の能力はもちろんですが、ときには他職種と協力し、患者さんにとってよりよい方法を検討することも解決の糸口となることがあります。
どのようなパターンであっても、自らがアクションを起こす勇気が必要で、五感を働かせて患者さんを見ることに大変さがあると考えます。

2:時間管理や先輩看護師との関わり方が難しい

朱莉さんの看護師免許証
朱莉さんの看護師免許証

2人目は、朱莉さん(20代女性)です。

看護師歴を教えてください。

約3年

看護師をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

まず、時間管理がとても大変です。
担当患者様のケアや処置だけでなく、チームのことも考えなければならないため、自分のことで精いっぱいのときは大変でした。
現在は自分のタイムスケジュールを立てたうえで、チームの主要ケアをピックアップし、全体を把握できるようにしています。
また、先輩看護師や医師などとの関わり方も、慣れるまでは大変でした。
特に先輩看護師はケアや処置を教えてくれるだけでなく、自分の看護研究などの相談や、課題の修正なども対応してくれるため、関わっていくのが難しかったです。

3:看護に正解はないからこそ大変

あみさんの看護師免許証
あみさんの看護師免許証

3人目は、あみさん(20代女性)です。

看護師歴を教えてください。

約4年

看護師をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

看護に正解はないことです。
人それぞれ看護観は違いますし、患者さんも一人ひとり求めるものが違うので、それにぴったりとハマるのが大変かなと感じます。
ほかにも、病気や治療に対しての知識や勉強、人間関係、夜勤をすることによる不規則な生活など、大変なことはたくさんあります。
日々勉強しなくてはいけないため、仕事をしながら勉強をするのも大変です。
私は勉強が嫌いですが、嫌でもやらなければいけないため、正直毎日大変で苦しいと感じています。

4:夜勤と時間外労働がつらい

にっくさんの辞令書
にっくさんの辞令書

4人目は、にっくさん(30代男性)です。

看護師歴を教えてください。

約10年

看護師をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

夜勤が大変です。
歳をとるにつれ、意識が遠のくことが多くなりました。
急性期にいるため急患対応もしなければならず、ナースコール対応もあり、夜中でも病棟を走り回っています。
また、激務をこなしながら、研修やクリニカルラダーの申請も進めていかなければなりません。
時間外での作業を強いられるところがとてもつらいです。
できれば勤務時間内に作業する時間がほしいところですが、慢性的な人材不足や、コロナで休む人が多くなっていることもあり、困難な状況となっています。

5:患者さんが伝えたいことを理解できないつらさ

ナースちゃんさんの看護師免許証
ナースちゃんさんの看護師免許証

5人目は、ナースちゃんさん(30代女性)です。

看護師歴を教えてください。

約8年

看護師をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

左側頭葉の出血を起こし、自宅で倒れていたところを発見され搬送されてきた50代の男性がいました。
その方は入院後緊急手術となりましたが、無事術後意識が戻りました。
しかし、失語の症状が出現。
自宅で1週間発見されなかった影響か、夜間も叫び続ける日々が続きました。
何度も何度も叫び、徘徊する姿を見ていることがつらかったです。
患者さんが伝えたいことを理解できない、伝わらない患者さんもイライラする、その繰り返しで落ち着かない患者さんの対応は大変でした。

6:患者さんが亡くなってしまうことがつらい

あやさんの看護師免許証
あやさんの看護師免許証

6人目は、あやさん(20代女性)です。

看護師歴を教えてください。

約4年

看護師をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

呼吸器内科に勤めていたとき、どんどん患者さんが亡くなっていくのがつらかったです。
受け持ちの患者さんでも数か月単位で容体が深刻になり、看取り。
肺がんで苦しみながらの死を迎える方が多く、何もできない自分に無力感がありました。
亡くなる方がいると、死後の処置などしなければいけません。
悲しくてもテキパキと業務をこなさなくてはいけないため、どんどん機械的になっていく自分に嫌気がさしました。
このままでは心が壊れると思い、そこは1年で退職してしまいました。

7:肉体的にハードで腰痛がつらい

ゆゆさんの看護師免許証
ゆゆさんの看護師免許証

7人目は、ゆゆさん(20代女性)です。

看護師歴を教えてください。

約6年

看護師をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

もっとも大変だと感じることは腰痛です。
看護師は精神的にも大変ですが、それ以上に肉体的にハードだと思います。
20代前半のときはそこまで感じなかったのですが、20代後半あたりから腰痛が気になりはじめました。
体位変換におむつ交換、車椅子やストレッチャーへの移乗など、ほとんど女性スタッフで体重の重い患者様を移動しなければなりません。
また、忙しいときは勤務時間中ほとんど座れず、立ちっぱなしになることもあります。
ボディメカニクスを使って腰痛を予防したいですが、なかなか難しく、加齢にともない腰痛がしんどいです。

8:看護以外の仕事の多さを知らなかった

ひろさんの看護師勤務表
ひろさんの勤務表

8人目は、ひろさん(40代女性)です。

看護師歴を教えてください。

約18年

看護師をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

看護師の仕事で1番大変だと思ったのは、看護の仕事だけでなく、それ以外の仕事が多いということです。
もちろん看護師としてステップアップや業務改善のために必要なことだと思います。
しかし、病院の委員会に参加したり、看護研究に取り組んだり、実習指導を行ったり、本来のケアとは異なる仕事があるので大変だと感じました。
これらのことは実際に看護師になるまで知らなかったので、「看護師本来の業務以外にこんなこともするの?」と常に思っていました。

9:理不尽なクレームや医師の対応への不満

伊藤さんの看護師免許証
伊藤さんの看護師免許証

9人目は、伊藤さん(20代男性)です。

看護師歴を教えてください。

約5年

看護師をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

大変なことはたくさんありますが、3つほど書きます。
1つめは、家族からのクレームがあることです。
遠方であまり関わっていない家族からのクレームもあります。
ときには理不尽なクレームもあり、それを看護師が対応するのは管轄外ではないかと思うことがあります。
2つめは、患者さんのわがままがあることです。
特に高齢者の場合は「家に帰りたい」「ご飯がまずい」などと言われることもあります。
確かに住み慣れた家での治療や、食べ慣れた食事のほうが良いかもしれません。
しかし糖尿病など、家での不摂生による教育入院することもあるのが現実です。
3つめは、医師がそのときの気分で無理を言ってきたり、一方的に怒られたりすることがあります。
感情のある人だから仕方ないと思いますが、同じ職場で働くからこそお互いにフォローし合えればいいのにと思います。

10:怒っている患者さんの対応が苦手

鈴木さんの看護師免許証
鈴木さんの看護師免許証

10人目は、鈴木さん(40代女性)です。

看護師歴を教えてください。

約20年

看護師をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

具合が悪いからというのもありますが、怒っている患者さんの対応は苦手です。
動じないで対応できる看護師もいますが、私は怒られるとやっぱり嫌だなと思います。
医師や患者さんの家族でも怒鳴ってくる人はいて、自分に非がなくても、たまたま対応したことにより嫌な気持ちになってしまうのが現状です。
また、仕事で失敗してしまったときに落ち込んでしまい、何日も立ち直れないこともありました。
看護師は責任の重い仕事だと思います。

【私の体験談】看護師の仕事で大変なこと、つらいこと

Hard

看護師はやりがいがあって誇れる職業ですが、一方で「きつい・汚い・危険」とマイナスなイメージがあるのも事実です。

ここでは、救急病院と慢性期病院での勤務経験のある私が、看護師をしていて大変だったことやつらかったことを紹介します。

大変だったこと

看護師の仕事内容や1日の流れを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

体力を使う仕事が多い

病院や診療科目にもよりますが、入院施設がある職場ほど体力を使います。

自分よりも大きな体格の患者さんをベッドから車いすへ移乗したり、寝たきりの患者さんを2時間おきに体位交換体位交換したりと、体力や筋力を使うことが多いです。

新人看護師のときは、勤務の翌日に全身筋肉痛になるほどでした。

命を預かるプレッシャーがある

看護師は、命に関わる緊張感のなかで仕事をし続けなければなりません。

配薬、注射の準備、医師からの指示など、ミスをしてしまうと患者さんに大きな影響を与えてしまう場面がいくつもあります。

毎日そのようなプレッシャーのなかで仕事をするため、精神的に大きな負担となり、不調をきたす看護師もいました。

患者さんとのやりとりが難しい

患者さんのなかには、納得しないまま入院になる方や、長い入院生活に不満を抱えている方も多くいらっしゃいます。

入院によるストレスを看護師にぶつけ、理不尽なことを言いつけられるシーンも多くありました。

患者さんとのやりとりがうまくできず、難しさを感じてしまう看護師は多くいます。

タイムプレッシャーを感じる

看護師は、検査や入院・手術など、時間厳守で仕事をこなす場面が多くあります。

そのほかにもナースコールに対応したり、採血や点滴、体位交換などを行っていくため、常にタイムプレッシャーとの戦いです。

2〜3年目になれば時間管理がスムーズにできるようになりますが、慣れるまでが大変でした。

いつまで経ってもなかなか慣れず、大きなストレスを感じるのであれば、慢性期などの比較的ゆったりとした病院での勤務がおすすめです。

くれやサチ

私は救急病院と慢性期病院の両方を経験していますが、環境や仕事内容に大きな違いがありました。

残業が多い

病棟看護師は、急な入院や手術対応があり、残業が多くなりがちです。

例えば17:00が定時だとしても、16:30に入院の患者さんが来院すれば手続きを行う必要があります。

定時間際に患者さんが転倒するなどの事故が起これば、そこから医師に報告し、現場検証を行わなければなりません。

解決策を考え、レポートにまとめることも必要です。

私が勤務していた救急病院では、1〜2時間の残業は当たり前

予想外のできごとが起こりやすいため、必然的に残業が多くなってしまい、体力的な負担が大きかったです。

さらに朝も就業時間の30分〜1時間前に出勤し、患者さんの情報収集を行う必要があります。

くれやサチ

トータルで1日12時間近く拘束されるような日も多々ありました。

夜勤がある

看護師の夜勤は、主に二交代制三交代制があります。

私の職場は二交代制で、夜勤の場合は16:00〜8:00までの16時間勤務でした。

夜勤は拘束時間が長く、生活リズムが乱れてしまいます。

心身ともに大きな負担となり、夜勤がない外来を希望する看護師もいました。

くれやサチ

体力面や自律神経に不安を感じるのであれば、夜勤のない外来やクリニックで働くことをおすすめします。

休日出勤がある

大きな病院では、病棟会や勉強会が頻繁に行われます。

休日を返上して参加することもしばしばありました。

ハードな職業にも関わらず、なかなか休むことができないのはとてもつらかったです。

休みが取りにくい

クリニックで働く場合は休日が決まっていますが、病棟看護師の場合、ほとんどがシフト制です。

そのため、小さいお子さんがいる看護師が多い病棟になると、行事が重なりやすく、土日の休みが取りにくくなります。

休みの希望を出すときに気をつかうのが大変でした。

医師とのやりとりが多い

看護師は、医師とやりとりすることが多くあります。

勝手な判断で行動できないため、医師から指示を受けたり、患者さんの状態を報告したりすることが重要です。

ときには患者さんと医師との間で板挟みになってしまうこともありました。

患者さんのためにも、しっかりと報告のできる気の強さも必要です。

女性が9割の仕事環境

看護師の約9割が女性で、病棟内に男性看護師は2〜3人という比率でした。

女性同士ならではの派閥があり、陰口などが飛び交うこともあります。

なかには人間関係が原因で退職する看護師もいました。

少しでも男性職員が多い病棟に就職したいのであれば、整形外科病棟やリハビリ病棟がおすすめです。

リハビリ病棟なら理学療法士さんが多く在籍しているので、ほかの病棟とは少し違った雰囲気の中で仕事を進めることができます。

くれやサチ

長く継続するためには、職場選びが重要です。

看護師の仕事がつらいと感じたときの乗り越え方

看護師は心身ともに大きな負担がかかる職業です。

つらい気持ちが強くなり、そのまま辞めてしまう方も少なくありません。

ここでは、看護師の仕事がつらいと感じたときの乗り越え方を紹介します。

対処法

有休を使って気持ちを切り替える

心身ともに疲れ切っている状態が続くと、やる気が削がれてしまいます。

就職して半年経過すると有給休暇がもらえますので、連休を利用して旅行するなど、リフレッシュする時間をとりましょう。

初心に返ってみる

看護師になりたいと思ったときの気持ちを、もう一度思い返してみましょう。

ハードだと言われる看護師の職業に就いたのであれば、それなりの覚悟や想いがあったはずです。

人助けをしたい、憧れる看護師がいるなど、看護師になりたい理由を思い返してみてください。

同期や先輩看護師に相談する

看護師の仕事は、大変なことやつらいことも多くあります。

同期や先輩看護師も、一度は本気で辞めたいと思った経験があるはずです。

同じ悩みをもつ人と共有することで、気持ちに整理がつくかもしれません。

部署を変えてもらう

今の職場にいるのがつらいと感じているのであれば、部署を変えてもらうのもよいでしょう。

実際にほかの診療科目を経験したいと看護師長に相談をし、部署を変えてもらった看護師もいました。

くれやサチ

複数の科がある病院なら、働く部署を変えるだけでも生活に変化があるはずです。

転職を検討する

病院の環境や人間関係に対する不満がある方は、思い切って大きく環境を変えてみるのも1つの手段です。

転職をして新たな病院に就職すれば、診療方針なども変わってくるでしょう。

理想とする看護が展開できる病院に巡りあえる可能性もあります。

なお、当サイトでは退職するときの伝え方も紹介していますので、転職しようか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

転職を考えている方は、看護師の転職に強い転職サービスを利用するのがおすすめです。

看護師特化の就職・転職支援サービス

一度看護師から離れてみる

看護師としてのやりがいが削がれ、心身に不調をきたしているのであれば、看護師の職から離れてみるのも1つの方法です。

看護師は命を預かる仕事ですので、その分プレッシャーも大きくなります。

一度看護師から距離をおき、プレッシャーから解放されることで、新たな発見があるかもしれません。

まとめ:看護師は大変なことやつらいこともあるけど、やりがいや魅力がいっぱい

看護師の仕事は責任が重く、ときにはプレッシャーに押しつぶされそうになることもあります。

大変なことやつらいこともたくさんある仕事ですが、その分やりがいや魅力もいっぱい。

ネガティブな気持ちになっているときこそ、看護師のやりがい嬉しかったエピソードを集めた記事もぜひ読んでみてください。

仕事の大変さやつらさは、働く環境によっても大きく異なります。

これから看護師を目指す方は、自分がどのような看護をしたいのか、きちんと目標設定をしておくことが大切です。

なお、当サイトでは看護師を対象に以下のようなアンケート調査も行っています。

くれやサチ

働いてから大きなギャップを感じないためにも、リアルな声を確認しておきましょう。

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