
医療事務歴約20年のライター、櫻井しおです。
産休育休を経て現在総合病院にて勤務中。複数の病院にて業務を行ってきました。約10年間、現場のマネージャーを務めた実績もあります。
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”未経験でも働きやすい”と言われている医療事務の仕事ですが、働いてからギャップを感じ、辞めてしまう方も少なくありません。
採用面接や指導をするなかで、向いていないと感じる方もたくさん見てきました。
そこでこの記事では私自身の経験をもとに、医療事務に向いている人、向いていない人の特徴を紹介します。

医療事務の仕事が自分に合っているか不安な方は、事前に確認しておきましょう。

医療事務の仕事が向いている人の特徴

私は約10年間、マネージャーという立場で採用担当も経験しました。
「医療事務の仕事に向いているな」と思える人は、面接の段階、もしくは働き始めて早い段階で判断できます。
ここでは、医療事務の仕事が向いている人の特徴を紹介しますので、自分に合っているかわからない方はぜひ参考にしてみてください。

臨機応変に対応できる
医療現場では、常に「思いがけないこと」が起こります。
臨機応変に対応できる方ほど、医療事務に向いているといえるでしょう。
ときには患者さんから不満の声や、理不尽なクレームをぶつけられることもあります。
医師や看護師との関わりも多く、医療事務は常にさまざまな相手の声を聞いて動かなければなりません。

柔軟な対応力がある方ほど、医療事務の仕事に向いています。
具体的にどのような仕事をするのか知りたい方は、医療事務の仕事内容をまとめた記事も参考にしてみてください。

明るく優しい性格で気遣いができる
医療事務は医療機関の受付業務を担当するため、まさに「病院の顔」ともいえるポジションです。
明るく優しい性格で、患者さんへの気遣いができる方ほど好ましいとされています。
これは結構大切な部分であり、特にクリニックなどの小さな医療機関であるほどイメージづくりが重要です。
- 先生はいいけど受付が不愛想な病院
- いつも受付の人たちが笑って話しているのが気になる
- よくため息をついている
- 電話対応が冷たい

このようなイメージがついてしまうと、自然と人が離れていってしまう可能性があります。
几帳面である
医療事務の仕事は、ミスが起こると患者さんに大きな影響を与えます。
- 計算を間違えてしまった
- 別の人のカルテを出してしまった
- 受付する順番を間違えた
- 予約日を取り間違えた など
ミスを最小限に抑えられるように、忙しいなかでも、きちんと確認をしながら業務を進める几帳面さが必要です。
正確で迅速な仕事ができる
受付から会計までをスムーズに進めるためには、速さと正確さのどちらも欠かせません。
几帳面さにプラスして必要なスキルです。
業務が滞ると、患者さんを長く待たせることになってしまいます。

特に総合病院は受付や会計で混み合うことが多く、患者さんの不満につながりやすい場所です。
基本的なパソコンスキルがある
医療事務の仕事は事務作業がメインになります。
Excelの関数は知らなくても大丈夫ですが、タイピングのスキルは必要です。
コミュニケーションスキルが高い
医療事務がコミュニケーションをとるのは患者さんだけではありません。
医師や看護師をはじめ、病院で働く大勢の医療スタッフや業者など、関わる人はたくさんいます。
どのような人と接するときでも、気持ちのいい対応ができるコミュニケーションスキルがある方が望ましいです。
医療事務の仕事が向いていない人の特徴

反対に、医療事務の仕事が向いていない人の特徴を紹介します。
正直「向いていない」と感じる方は、面接の段階でわかることがほとんどです。
よほどの事情がない限り採用は見送ります。
仮に採用しても短期間で退職することが多いため、「向いていないと感じたら採用しないほうがいい」というのが、長年の経験から得た知識です。
ぜひ参考にしてみてください。

仕事を覚えようとする意欲がない
覚えるのが苦手ということ自体は仕方がありません。
問題は「仕事を覚えようとする意欲があるのか」という部分。

面接時に意欲の有無がわかることも多いです。
なかには「働きやすさ」という都合だけで医療事務の仕事を選ぶ方も多くいます。
最初のきっかけはそれでもいいのですが、意欲的に仕事を覚えようとせず、「イメージと違った」という理由で辞めてしまう方も少なくありません。
業務を一度で覚えることが難しいのは当然です。
そのなかでも「メモを取る」「わからない部分は積極的に質問する」という姿勢がもてないと向いていないでしょう。
人と接することが苦手
医療事務の働き方にもいくつかあり、人と接する機会が少ない部署もあります。
しかし、誰とも関わらない業務はありません。
採用されたとしても希望の部署に配属できるかはわからないため、コミュニケーションが苦手な人が医療事務に就くのは少し考えたほうがよいでしょう。
パソコンで基本的な文字入力ができない
医療事務として仕事をするうえで、パソコンで文字の入力ができないと難しいです。
速さと正確さが求められる仕事であるため、それなりの速さで文字を入力できる必要があります。
パソコン操作が苦手な方に医療事務の仕事は向いていません。
決まった作業だけしていたい
医療事務には「〇〇するだけ」といった業務はありません。
「ずっと受付をやりたい」「計算以外の仕事だけやりたい」など、個人的な希望通りに働くことは難しいです。

もしやりたい業務の方向性が決まっている場合は、分業制の病院を選ぶ必要があります。
まとめ:それでも悩んだら、まずは勉強してみるのがおすすめ

医療事務は未経験者でも目指せる仕事ですが、向いている人・向いていない人の特徴は分かれます。
「やってみたいけど不安がある……」と悩んでいるのであれば、まずは医療事務の資格取得を目指し、実際にどのような仕事をする必要があるのか知ることが大切です。
面接の際に資格は加点ポイントになり、働く意欲があることを証明する方法にもなります。

私が採用担当をしていたときは結構見ていた部分です。
もし医療事務として働かなかった場合でも、医療費の仕組みなどの勉強につながります。
当サイトでは「おすすめの医療事務資格」をまとめた記事もありますので、ぜひ参考にしてみてください。

なお当サイトでは、医療事務として勤務経験がある方を対象にアンケート調査も行っています。
医療事務のやりがいや大変なところなどを聞いていますので、医療事務の仕事内容をもっと詳しくイメージしたい方はぜひそちらもご覧ください。



働いてからギャップを感じないためにも、良いところも悪いところも知っておくことが大切です。

