【8人に聞いた】医療事務の仕事が大変、つらいと感じたエピソード

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【8人に聞いた】医療事務の仕事が大変、つらいと感じたエピソード
この記事の執筆・監修者
櫻井しお

医療事務歴約20年のライター、櫻井しおです。

産休育休を経て現在総合病院にて勤務中。複数の病院にて業務を行ってきました。約10年間、現場のマネージャーを務めた実績もあります。
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エピソードとともに掲載している写真は、ご本人様より提供いただいたものを使用しています。

医療事務は、未経験者でも挑戦できる人気の職業ですが、「誰でもなれる=簡単」というわけではありません。

私自身、医療事務として長年働いていますが、仕事の大変さつらさも感じています。

そこで当サイトでは、医療事務の本音をリサーチするために独自アンケート調査を行いました。

この記事では、8人の医療事務に聞いた「仕事で大変なことやつらいと感じたこと」を紹介します。

櫻井しお

つらいときの乗り越え方も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

【8人に聞いた】医療事務の仕事で大変なこと、つらいこと

医療事務として働いた経験がある8人に聞いた、仕事で大変なこと、つらいことを紹介します。

体験談

アンケート調査は「クラウドワークス」にて行い、以下の項目に回答していただきました。

読みやすくするために体験談の一部を編集してから公開していますが、内容が変わるものではありません。

  1. 医療事務歴
  2. 大変なことやつらいと感じること

1:目の前で患者様が苦しんでいるときの対応が難しい

鈴木さんの医療事務技能審査合格証書(2級メディカルクラーク)
鈴木さんの合格証書

1人目は、鈴木さん(40代女性)です。

医療事務歴を教えてください。

約20年

医療事務をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

受付をしていると、ドキっとする場面に遭遇することがあります。
例えば目の前で患者様が転倒して流血したり、気分不良で倒れ込まれたり、吐血されたりということです。
医療事務として、自分の中にある知識で対応しなければいけない場合があります。
そんなときはいかに冷静に、迅速に、感染に配慮した正しい対応ができるかが大切です。
毎回「この対応で良かったのか」「もう少し良い対応ができたのではないか」と考えさせられます。

2:レセプト時期の同時進行が大変

hiromiさんの合格認定証書(医療事務検定試験2級)
hiromiさんの合格認定証書

2人目は、hiromiさん(30代女性)です。

医療事務歴を教えてください。

約2年

医療事務をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

とにかく仕事の同時進行が大変です。
受付や会計をしながらのレセプト時期は本当に地獄です。
病院の収入に大きく関わるため、「終わりませんでした」は絶対に言えません。
どれだけ残業してでも、必ず終わらせないといけませんでした。
ミスがあると院長から指摘があるため、事務員総出で必死に毎月乗り切ります。
特にGWや年末年始、お盆休暇など、世間が長期休暇になっているときでも月末~月初(大体25日以降から翌日5日頃まで)は、レセプトが終わるまで出勤していました。

3:曜日や季節による混雑時の対応がきつい

えかこさんの認定合格証(医療事務管理士技能認定試験)
えかこさんの認定合格証

3人目は、えかこさん(40代女性)です。

医療事務歴を教えてください。

約10年

医療事務をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

患者様をお待たせしないように迅速に作業をし、間違いのないようにていねいな対応をすることが大変です。
急いでいる患者様もいるため、臨機応変に対応することも重要です。
また、お金を扱っているのでミスがないようにしなければなりません。
医師や看護師と連携をとることも、慣れるまでが大変でした。
土曜日の午前中や月曜日は特に混雑し、速さが求められるのも大変です。
季節によってはより混雑するため、お昼休憩が5分しかとれないときもあり、仕事がきついと感じました。

4:役所の対応が適当で困る

零一二さんの合格証書(保険請求事務技能検定試験)
零一二さんの合格証書

4人目は、零一二さん(40代女性)です。

医療事務歴を教えてください。

約13年

医療事務をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

入院のレセプトは1件で200万円を超えるものもあるため、自分の入力ミスで入ってこなくなるかもしれないプレッシャーがありました。
また、生活保護受給者でお風呂に入っていない方がいて、臭いが酷いので保護課の担当者に連絡するように看護師長に言われたことがあります。
どう伝えたらよいのか、対応が難しかったです。
仕事上、役所の方に連絡することも多いのですが、対応が適当で困ったことも多々あります。
特に印象深いのは、乳幼児の負担額を間違えていたのに責任をとってくれなかったことです。
病院側から何度も患者さんへ請求書を出し続けたのですが、結局払ってもらえず病院の損失になったことがあります。

5:患者さんのクレーム対応で気を使うのが大変

こはるさんの合格証書(医療請求事務能力検定)
こはるさんの合格証書

5人目は、こはるさん(30代女性)です。

医療事務歴を教えてください。

約5年

医療事務をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

待ち時間が長くなると患者さんから苦情がくることが多々あり、患者さんへの対応は気を使うことが多くて大変です。
また、レセプトの時期はとても忙しく、受付と同時に進めていかないといけないので大変だなと感じます。
レセプトは枚数も多く、確認作業も多いため、残業が夜中になることもあります。
レセプト中は寝不足も続いていくので、体力的にも精神的にもつらいです。

6:返戻されたレセプト業務と受付の同時作業が大変

akaneさんの認定合格証(医療事務管理士技能認定試験、診療報酬請求事務能力認定試験)
akaneさんの認定合格証

6人目は、akaneさん(40代女性)です。

医療事務歴を教えてください。

約10年

医療事務をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

会計時に高齢の患者さんに質問されたことを、相手がわかるように何度も説明するのが大変でした。
またレセプトが返戻されたときに、何が原因なのか点数表を細かく調べたり、社会保険事務所や国民健康保険の市町村に問い合わせたりすることもあります。
何が原因かわかると次回からの問題は少なくなりますが、診察時間中に問い合わせないといけません。
患者さんに迷惑をかけないようにしながら、同時にいくつもの作業をするのが大変でした。

7:医師の字が読みにくくてミスをしそうになった

ななさんの合格証書(保険請求事務技能検定試験)
ななさんの合格証書

7人目は、ななさん(30代女性)です。

医療事務歴を教えてください。

約11年

医療事務をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

紙カルテの病院で医療事務をしていたときのことです。
医師が書いた処方を医事コンピュータに入力する際に、字が読みにくく、誤った量で処方せんを発行してしまったことがあります。
処方せんを渡す前に薬剤師さんが確認するようになっていたため、そこで気づいて影響はありませんでした。
しかし、もし気づかれずに処方してしまったら、患者様に影響が出てしまいます。
責任の重い仕事で大変だなと感じました。
また、医療事務の仕事は月末から10日にかけてレセプトで残業があり、年末年始、GWもほとんど休みがありません。
そこはすごく大変であり、毎月「もう1か月経ったのか。ずっとこの繰り返しの生活は嫌だな」と感じていました。
今は別の仕事をしています。

8:休みが少なくて残業が多いのが大変だった

まーちゃんの合格証書(保険請求事務技能検定試験)
まーちゃんさんの合格証書

8人目は、まーちゃんさん(40代男性)です。

医療事務歴を教えてください。

約11年

医療事務をしていて、大変なことやつらいと感じたことを教えてください。

医療事務をしていて大変だったことは、休みが少なかったことです。
総合病院だったのですが、1年を通して、土曜日の午後、日曜日、祝日と、月1回平日に休める程度でした。
4週7休になっています。
夏休み(3日)、正月休み(4、5日)もありますが、休日出勤になることも多いです。
残業も基本的に毎月あり、私の場合は50~100時間はやっていたと思います。
男性の場合、24時間勤務(日勤、当直)もありましたが、対応できなかったので免除してもらっていました。
それが辞めることになった理由の1つです。
また、医療事務としての初めての職場で総合病院の入院業務を担当することになり、責任のある仕事を1人で任されて、とにかくすべてが大変でした。
しかし、今ではいい経験だったと思っています。

未経験者向けの医療事務資格

医療事務認定実務者試験

全国医療福祉教育協会公式サイト
出典:全国医療福祉教育協会公式サイト

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【私の体験談】医療事務をしていて「大変、つらい」と感じたエピソード

Hard

長い間医療事務として働くなかで、良いことも悪いこともたくさん経験してきました。

ここでは、特に私が「大変、つらい」と感じた印象的なエピソードを紹介します。

大変だったこと

新人の頃に先輩たちが一気に退職した

医療事務として働いて2年目の頃、私を指導してくれていた先輩たちがほぼ同時期に退職してしまいました。

圧倒的な人手不足状態に陥り、私も多くの仕事を引き継がなければならない状態

仕事への理解も不十分だったため、プレッシャーが強くありました。

櫻井しお

正直、何度も「辞めたい」と思いながら仕事をしていたのを覚えています。

体調管理ができずに休むことが多かった1年目

医療事務の「新人あるある」かもしれません。

1年目は体調管理が難しく、流行っていた感染症を色々と持ち帰り、発症していました。

その都度休みを取らなければならず、職場に迷惑をかけてしまった経験があります。

櫻井しお

体調管理の大変さが身に沁みて、2年目以降は病気をもらうことがほとんどなくなりました。

病院の近くで起きた大きな事故

病院の近くで大きな事故があり、たくさんの患者さんが運ばれてくるという状況になったことがあります。

氏名や生年月日などの情報がわからない患者さんをすぐに治療しなければならず、対応の判断とスタッフへの指示を出す必要がありました。

櫻井しお

「とにかく早急に」というプレッシャーは、私にとって忘れられないエピソードです。

毎回怒鳴る患者さんへの対応

まだ勤務年数が浅かった頃、来院するたびに毎回怒鳴る患者さんがいました。

大きな声で怒鳴られることがいつも怖かったです。

理不尽な内容が多かったため、対応の難しさを感じていました。

正直、患者さんへの対応は今でも日々苦戦しています。

マネージャーとしてクレームへの対応を学ぶ機会はありますが、患者さんごとに対応が異なり、正解がないのも難しさを感じる一因です。

ストーカー行為をしてくる患者さんへの対応

患者さんからスタッフへのストーカー行為があり、かなり対応に苦労したことがあります。

そのスタッフは、患者さんへの対応が抜群に良い人でした。

それが一部の患者さんにとっては、自分への特別な対応に見えていたようです。

櫻井しお

医療事務は患者さんに優しくして当然と思われがちですが、ときには難しい部分もあります。

職場の人間関係への対応

幸いなことに、私自身はあまり人間関係で悩んだことがありません。

しかしマネージャーという立場上、人間関係で揉めている人から相談を受けたり、間に入って仲裁したりすることが多々ありました。

対応の難しさや、不満な気持ちを受け止めるストレスを感じることもあります。

櫻井しお

頼りにしてもらえるのは嬉しいですが、大変だと感じることも多いです。

医療事務の仕事がつらいと感じたときの乗り越え方

  • 自分の仕事をたくさん抱えている
  • 時間制限や締め切りのある業務を任された
  • 人手不足により余裕がない など

常に忙しくて大変だと考えている方ほど「人に頼れない」という特徴があります。

自分を追い込んで限界になり、医療事務をやめてしまう方も少なくありません。

ここでは、医療事務の仕事がつらいと感じたときの乗り越え方を紹介しますので、自分に合った解決法を見つけてみましょう。

解決策

仕事に優先順位をつける

医療事務は、さまざまな業務を同時にこなすことが求められる仕事です。

仕事に優先順位をつけて「今日やらなければいけないことだけ」に絞ることで、ストレスの軽減につながります。

目についた仕事をやるのではなく、緊急性が高いものから処理することが大切です。

思いきってほかの人に依頼する

「人に頼れない」「お願いできない」というタイプの方が、何でも引き受けて忙しい状況に陥る傾向があります。

「人に教えるよりも自分でやったほうが早い」と考えてしまう人は要注意です。

ほかの人に応援を頼み、自分のやるべき業務に集中することで、良い結果が出せることが多々あります。

医療事務は同時にさまざまな仕事をこなさなければならないため、チームワークが重要です。

櫻井しお

優先順位の低い業務は、積極的に手放すように心がけましょう。

やらなくてもいいことはやめる

仕事と家庭の両立で時間がない人は、つらさを感じやすいといえます。

プライベートで余裕のない時間を過ごしてしまうと、仕事にも影響してしまうのです。

家庭でしっかり休む時間が取れていない人は、思い切って”自分がやらなくてもいいこと”をやめてみるのはいかがでしょうか。

家族と家事を分担したり、家事代行を依頼したりするのも解決方法の1つです。

「月に〇回は家事代行を利用する」など、息抜きをするためのルールをつくっている家庭もあります。

櫻井しお

自分の時間をつくることで気持ちに余裕ができると、仕事の忙しさも乗り越えられるでしょう。

あえて休みを取る

あえて休みを取り、自分を癒す時間をつくりましょう。

「忙しいから休めない」と考えていると、より精神的な負担が大きくなり、仕事を続けるのが困難になってしまうかもしれません。

医療事務は、パソコンに向かって長時間作業することが多い仕事です。

多くの情報を扱うため、疲れた状態のまま業務を続けるとミスが発生しやすくなります。

眼精疲労や肩こりなどで悩む方も多いため、定期的に休憩をし、ストレッチを行いましょう。

転職を検討する

  • 相談できる相手がいない
  • 人間関係が改善しない
  • 総合病院は自分に合わない
  • なかなか休ませてもらえない など

誰にも相談できず、相談したところで何も変わらないのが目に見えているような環境であれば、転職を検討する勇気も必要です。

私も複数の病院で医療事務の経験がありますが、転職するのは悪いことではありません。

櫻井しお

結婚や出産など、環境の変化に合わせて働けるのも医療事務の魅力です。

求人サイトによって情報が異なるため、複数のサイトで比較しながら次の職場を探してみましょう。

医療事務特化の求人サイト

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まとめ:医療事務が「大変、つらい」と感じたら別の分野に挑戦するのもあり

総合病院やクリニックなど、働く場所によっても医療事務の仕事の範囲は異なります。

今の仕事への不満がある方は、医療秘書や歯科など、医療事務としての別の働き方にも目を向けてみましょう。

私は4種類の医療事務資格を保有していますが、キャリアアップを目指して取得した資格もあります。

大変だから仕事を辞めるのではなく、働き方を見直してみるのもおすすめです。

目的別に医療事務資格を紹介している記事もありますので、ぜひ参考にしてみてください。

なお当サイトでは、医療事務を対象に以下のようなアンケート調査も行っています。

医療事務の仕事についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひほかの記事も参考にしてみてください。

櫻井しお

働いてからギャップを感じないためにも、良いところ、悪いところの両方を知っておくことが大切です。

未経験者向けの医療事務資格

医療事務認定実務者試験

全国医療福祉教育協会公式サイト
出典:全国医療福祉教育協会公式サイト

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