医療事務はいじめが多い?マネージャー経験者がよくある相談や傾向などを紹介

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医療事務はいじめが多い?マネージャー経験者がよくある相談や傾向などを紹介
この記事の執筆・監修者
櫻井しお

医療事務歴約20年のライター、櫻井しおです。

産休育休を経て現在総合病院にて勤務中。複数の病院にて業務を行ってきました。約10年間、現場のマネージャーを務めた実績もあります。
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私は約20年間医療事務として働き、10年ほどマネージャー職にも携わってきました。

マネージャーの立場でいると、さまざまな相談を受けることがあります。

なかでも多かったのが”いじめ”に関するものです。

この記事では私自身の経験をもとに、医療事務現場で発生するいじめについて本音で綴っています。

いじめ被害者に聞いたエピソード男性マネージャーへのインタビューも行っていますので、ぜひ参考にしてみてください。

櫻井しお

今悩んでいる方、医療事務の仕事への不安がある方などの解決につながれば幸いです。

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目次

マネージャー経験者から見た医療事務のいじめの現状

医療事務の疑問

私自身がマネージャーとして相談を受けるなかで感じた、医療事務現場で発生するいじめの実態や傾向を紹介します。

医療事務の職場はいじめが多い?

医療事務は女性が多い仕事であるため、いじめが起こりやすいのは事実です。

しかし、どの職場でもいじめがあるわけではなく、良好な人間関係を保っているところもあります。

また、資格を保有していない未経験者でも、医療事務として働くことが可能です。

そのため、何もわからない新人がいじめのターゲットにされやすい傾向があります。

人間関係が原因で離職や転職をする人も少なくありません。

いじめをする人の特徴

私が相談されたなかでは、以下の方との関係性に悩む方が多くいました。

  1. 先輩(いわゆるお局)
  2. 看護師
  3. 医師

なかでも圧倒的に多いのは、先輩(お局)からのいじめです。

どのようなことがあったのかは、実例を公開している部分で詳しく紹介しています。

その次に多かったのは看護師からのいじめで、以下のような相談を受けました。

  • 自分だけ名前ではなく“事務の人”と呼ばれる
  • 自分の悪口を陰で言われている

少数ですが、医師からのパワハラに関する相談を受けることもあります。

医療事務を見下し、暴言を吐く医師がいるのも事実です。

  • こんなこともわからない事務なんていらない
  • あなたが育休明けに戻ってくる場所はない
櫻井しお

上下関係の意識を強くもつ方ほど、医療事務を見下す傾向があります。

いじめられやすい人の特徴

いじめの相談を受けるなかで、以下のような方が目を付けられやすい傾向があると感じました。

  • 新人(未経験者)
  • 萎縮してしまう性格の人
  • 身だしなみやルールが守れない人

特に仕事に慣れていない新人(未経験者)は、忙しい業務のなかで八つ当たりの対象になってしまいがちです。

何か言われたときに萎縮してしまう人ほど、仕事を押し付けられたり、強い態度をとられたりして、いじめが加速することもあります。

櫻井しお

「自分よりも弱い」と感じた相手に強い態度をとってしまうのは、医療事務に限らずいじめでよくあるケースです。

また、医療機関には身だしなみやルールが厳しいところが多くあります。

見た目が派手だったり、職場のルールが守れなかったりする人は、先輩たちから目をつけられてしまうでしょう。

櫻井しお

「なんとなく気に入らない」という理由でターゲットにされるケースもありますが、共通した特徴があるのも事実です。

よくあるいじめの内容

医療事務内でのいじめに関する相談でよくある内容は、主に以下の5つです。

  • 仕事を教えてくれない
  • 高圧的な態度をとられる
  • 嫌味や悪口を言われる
  • 仕事を押し付けられる
  • 無視される

このようなことをされると、正直仕事になりません。

仕事に慣れていない新人が仕事を教えてもらえなければ、ミスが起こることは簡単に想像できます。

しかしそのミスを先輩が叱責し、上司や周囲のスタッフに「使えない新人」と言って回る。

そして新人はさらに萎縮してしまい、またミスをする……という負のループが起こっているのです。

いじめが起こりやすい職場の傾向

私自身が複数の医療機関で働くなかで、いじめが起こりやすい職場にはいくつかの傾向があると感じました。

  • 働く人数が少ない(クリニック、調剤薬局など)
  • 多忙なのにスタッフが足りていない
  • 経歴の長いスタッフがいる
  • スタッフの異動がない
  • 男性職員がいない

日頃から関わるスタッフの人数が少ないと、人間関係が難しくなりがちです。

医療事務が2〜3人で業務をこなす、クリニックや調剤薬局などがその例でしょう。

櫻井しお

多忙によるストレスの強さも関わっていると感じました。

また、経歴が非常に長いスタッフがいる職場や異動がない職場では、自然に“お局さま”的な存在ができやすくなります。

新人に対する指導がより厳しくなっている様子も見受けられました。

なお、男性スタッフが配置されている部署では、いじめの問題が起こりにくいと感じています。

これは男性スタッフが女性特有の人間関係の中で、うまく緩和剤になっているからだと考えられるでしょう。

加害者側はいじめていると思っていないケースもある

いじめで悩んでいる方の相談を受けたあとに、加害者側の話を聞くこともあります。

すると加害者側は、いじめている自覚がないパターンが多々あるのです。

  • あくまで指導だと考えている
  • 性格上、きつい言い方になってしまう

忙しさが原因で、強い口調になってしまうこともあるかもしれません。

櫻井しお

しかし、言われたほうは辞めたいくらい深刻に悩んでいることもあるため、難しい部分もあります。

【実例で紹介】医療事務現場であったいじめの内容

Hard

今まで働くなかで実際にあったいじめの内容をいくつか紹介します。

今回記事を作成するにあたり、当時や今の状況について直接お話を伺った方もいます。

彼女たちの経験が、誰かの背中を押すきっかけにつながれば幸いです。

体験談

実例1:先輩からのいじめで転職した女性

総合病院の忙しい窓口での業務を任されていた50代の女性は、先輩からのいじめが理由で転職しました。

わからないことを聞いても教えてもらえず、強く怒られるのが日常的。

ミスをするたびに自分で責任を取るように言われていたようで、常に仕事への強い不安がありました。

最終的に転職することを決意したのは、精神的に限界を感じてしまったからです。

その後彼女は別の医療機関に転職し、現在は楽しく仕事をしています。

「あのまま我慢しなくてよかった。同じ仕事でも環境によって全然違うと知り、人間関係で悩むことがなくなりました」と話してくれました。

櫻井しお

いじめとは無縁の職場もありますので、これから医療事務になる人も安心してほしいです。

実例2:リーダーからのいじめで退職した友人

40代女性の友人は、入職後に直属のリーダー(30代)からいじめのような対応をされていました。

  • 自分にだけ冷たい態度をとられる
  • ミスをすると、ほかのスタッフや患者さんの前で叱責される
  • 初めて行う業務も教えてもらえない
  • 「わからないことを聞かないあなたが悪い」と言われる
  • 勤務のシフトが相談なく勝手に変更されていることが多々ある

初めて医療事務として働いたため、最初は「これが普通なんだ」と思ったそうです。

しかし、リーダーからのいじめは自分にだけ向けられていると知り、仕事を頑張ろうという気持ちがなくなりました。

最後まで反論できず、悔しい思いをしたようです。

そんな彼女も転職してストレスがなくなり、今は快適に仕事をしています。

彼女は「今の職場は普通に仕事を教えてくれることに感動している」と笑顔で話してくれました。

実例3:定年退職予定の女性によるいじめ

以前私が勤務していた病院のなかで、長年起こっていた問題です。

専門職の50代後半女性(Aさん)は、自分だけしか配属されていない部署で長年勤務していました。

60歳での定年退職が近づき、後任候補の採用と育成が計画されます。

専門的な業務だったため、長期間の育成期間が設けられ、すぐに求人が出されました。

募集を出すとすぐに応募がありましたが、何人採用しても1か月〜長くて半年ほどで退職してしまい、なかなか続きません。

辞めることを決めたスタッフに理由を聞いたところ「Aさんの態度がきつい」と話してくれました。

そのほかにも、以下のようないじめがあったようです。

  • 仕事を教えてもらえない
  • 単純作業や雑務しか任せてもらえない
  • 「仕事ができない新人」と陰で言われる
  • 業務中に席にいないことが多く、確認したいことも聞けない

結局、後任を探していたはずのAさんが自分の仕事や立場を奪われることを嫌がり、仕事を教えなかったことが判明しました。

私はその職場から離れてしまいましたが、Aさんは60歳を超えた今も、後任を探しながら勤務していると聞いています。

実例4:給料アップのために転職したクリニックでのいじめ

私の元同僚である30代女性は、医療事務経験10年のベテランでした。

長い間一緒に総合病院で働いていましたが、給料のよいクリニックへの転職を決意します。

希望するクリニックで即採用となり、喜んでいたのもつかの間。

1人の先輩によるいじめや嫌がらせが原因で精神的に病んでしまい、わずか1か月で退職してしまいました。

彼女がされたいじめは、以下のような内容です。

  • 挨拶を無視される
  • ミスを院長に報告される
  • 職場内で孤立させられる

彼女は「どんな扱いをされても頑張ろうと思ったけれど、少人数で働くクリニックの中で無視されるのは精神的なダメージが強かった」と話します。

退職後は体調が回復し、彼女は以前勤務していた病院に再就職しました。

「給与面に不満はあるけど、人間関係が良好なほうが働いていて楽しい」と話しています。

実例5:病院職員から派遣社員へのいじめ

医療事務業界は、派遣や業務委託で働いている人が多くいます。

雇用形態上、派遣や業務委託社員は病院職員より立場が弱いと見られがちで、対等ではありません。

そして、病院職員による派遣社員へのいじめが起こっているのが現状です。

  • ミスや責任をなすり付ける
  • 業務を押し付ける
  • 契約の打ち切りをちらつかせる

特に契約が更新されないことはダメージが大きいため、病院の言いなりにならざるを得ないこともあります。

私自身も業務委託会社に所属して勤務していたことがあり、病院職員からさまざまな無理難題を言われていました。

何か起こるごとに「次回の契約更新はないかもね」と言われていたため、ストレスがたまる毎日です。

正直、全国の医療機関で派遣や業務委託社員へのいじめは起こっているでしょう。

櫻井しお

現状では解決が難しく、今後も多くの医療機関で続きそうな問題です。

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【インタビュー】男性マネージャーから見た医療事務のいじめの現状

医療事務スタッフ100名以上の総合病院にてマネージャー業務を行う男性(30代)に、いじめの現状についてインタビューを行いました。

彼は医療事務歴15年、マネージャー歴7年のベテランです。

男性視点でいじめの相談とどう向き合っているのかなどを教えてもらいましたので、ぜひリアルな声をご覧ください。

女性ならではの人間関係を感じますか?

医療事務の現場には限らないとは思いますが、男性だけの職場とは違う人間関係があります。
正直「そんなこと気にしなくてもいいのに」と感じることはしょっちゅうです。

いじめに関する相談を受けますか?

いじめというか、スタッフ間の人間関係の相談は本当に多いです。
正直、実務よりも時間がかかっているほどだと思います。

スタッフから相談を受けるなかで、いじめと指導の線引きはありますか?

先輩側が「指導」のつもりで言ったことも、受け取り側が「いじめ」だととらえたらいじめなんだと思います。
同じ指導をしてもいじめだと感じないスタッフもいるので、受け取り側の感情は人それぞれですね。
なので、いじめと指導の線引きはないと思っています。

いじめの相談に対してどのように対応していますか?

まずはお互いに改善をしてもらうように指導しています。
いじめられたというスタッフにも、改善すべき点はあるのではないかと考えているためです。
同様に、いじめた側にも同じように自分の改善すべき点を文書にしてもらいます。
その後は、一定期間ごとに面談をして、改善されているか確認するのが一連の対応です。

マネージャーが対応をすればいじめはなくなると思いますか?

思いません。
いじめに対して指導するよりも、部署異動などでお互いの関わりを少なくするのが最善策だったりします。
大規模病院であれば、異動は比較的容易にできるでしょう。

いじめが起こりやすい部署はありますか?

長年勤務しているスタッフがいる部署は、新人の定着率が悪い傾向にあります。
仕事を取られたくないと考える人ほど、仕事をちゃんと教えないうえに、「新人が使えない」といじめる悪循環を自分で作っている場合が多いですね。
“お局さま”を部署異動させたほうが、色々解決することはわかっています。
でも、簡単にはできないのが現状です。

男性スタッフの存在は、医療事務の人間関係に影響しますか?

確かに男性スタッフが配属されている部署のほうが、人間関係の相談は少ないかもしれません。
良い緩和剤になっているのかなと思います。
でも、男性スタッフがいじめのターゲットになることもあるだろうし、いじめ側につくこともあるかもしれません。
結局は性別に関係なく、その人自身の問題のようにも感じます。

男性マネージャーからの話を聞くなかで、いじめの問題はどのような職場でも起こりえることと、医療事務の現場では女性特有の人間関係が存在していることがわかりました。

いじめの根本的な解決を目指すのであれば、部署異動や転職で関係を断つ方法が有効でしょう。

良好でない関係の人とは、関わる時間を少なくすることが最善策であると、私もさまざまな場面で実感してきました。

櫻井しお

いじめによる新人の定着率の悪さは、今後も女性が多い職場の課題だと思います。

医療事務の職場でいじめを未然に防ぐ方法

POINT

職場でのいじめ問題で悩まないためには、できる範囲で未然に防ぐことが大切です。

医療事務として働くうえで重要なポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。

働くときのマナーに気をつける

  • 相手に敬意をもって接する
  • 萎縮しすぎない
  • 社会人としてのマナーを守る
  • 適度な距離を保って仕事をする
  • ミスをしない努力をする(メモを取る、不明なことは確認する)
  • きちんと謝罪する

働くうえでのマナーができていない人は、目を付けられやすい傾向にあります。

正しい言葉遣いや身だしなみを整えるなど、社会人としてのマナーを守ることは基本であり、とても重要なことです。

櫻井しお

自分の体裁を保つことにもつながるでしょう。

また、ミスが多い、反省しないといった態度は、陰口の対象になりやすいといえます。

ミスを完全に防ぐのは難しいですが、きちんとメモを取り、誠意をもって謝罪するなどの姿勢を見せることが大切です。

働く場所は慎重に選ぶ

  • スタッフが多い職場を選ぶ
  • 派遣や業務委託会社で働く

人間関係で悩むことが心配なのであれば、勤務先の選択が重要です。

なるべく関わる人数が多い職場のほうが、適度な距離感を保って仕事をできるため、問題が起こりにくくなります。

また、医療事務には派遣業務委託会社が多く存在します。

このような会社で働く場合、契約している医療機関へ出向する流れが一般的です。

正直、「派遣だから」という理由で見下す人もいるでしょう。

しかし人間関係が良くない職場だった場合、ほかの医療機関への異動ができるはメリットです。

櫻井しお

いじめに対する指導体制も整っているため、いざというときに頼れる環境があるのは心強いのではないでしょうか。

最悪な状況なら退職代行を利用してでも抜け出そう

すぐに退職したくても、いじめがひどく、なかなか辞めさせてもらえないケースもあります。

職場全体から無視をされていて、辞めたいのに言い出せない状況の方もいるかもしれません。

人間関係が最悪な職場から抜け出すために、最終的な方法として退職代行を検討するのも1つの手段

ただし、引き継ぎができないなど、あらゆる面で職場に迷惑がかかることを考慮しなければなりません。

退職代行の中でも、退職代行Jobsは顧問弁護士が監修しており、業界内でも信頼性の高いサービスとなっています。

大手メディアを中心に、多数の掲載実績がある会社です。

精神的に追い込まれて、退職自体が難しい環境であった場合の最終手段として検討してみてください。

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まとめ:医療事務のいじめを回避するためには職場選びが大切

医療事務のいじめ問題を回避するためには、職場選びが重要です。

いじめで悩んでいた元同僚も、職場を変えて、今では良好な人間関係を築けています。

なお職場を探す際は、求人サイトによって掲載されている情報が異なるため、複数のサイトで医療事務の募集を見てみましょう。

医療事務に特化した求人サイトもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

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櫻井しお

医療機関の口コミもチェックし、雰囲気のよい職場を選ぶことが大切です。

なお当サイトでは、医療事務を対象に以下のようなアンケート調査も行っています。

医療事務の仕事についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひほかの記事も参考にしてみてください。

櫻井しお

働いてからギャップを感じないためにも、良いところ、悪いところの両方を知っておくことが大切です。

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